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【プレイバック】7.22 WCセミナー!

こんにちは!夏が待ち遠しいオグロがお届けします!


最近の日本にはむしろ珍しく弱い長雨が続いており、いかにも梅雨らしい日々となっています。しかしそれももうしばらく経てば梅雨が開け本格的な夏がやってきます。


日本の夏は特に暑い。昨年は40度を超えることもしばしばで、夏の暑さの危険性をより強く感じるとともに暑熱対策の重要性を再確認させられました。


そんな中、今回のセミナー講師である坂井先生と別件でお会いする機会がありました。話が暑熱環境でのコンディショニングになると話が止まらなくなり、若くして専門分野に特化したきめ細かなリサーチをしているなという印象でした。


これはぜひ皆さんに知っていただきたい!!と思い、今回セミナーという形でお届けることとなりました。


参加者は早稲田大学の体育会のトレーナーさんが多く参加されましたが一般の方の参加もあり、やはり興味の持ちやすい分野であると改めて感じました。


では今回のセミナー内容をプレイバックしてまいりたいと思います!


まず体の生理学的な基礎知識のおさらいとなりました。

体が一定の状態を保とうとする機能(ホメオスタシス)が体温調節についてどのように働いているのかを図解をもって説明いただきました。特に深部体温と言われる文字通り体の深部の温度のコントロールが重要とのこと。


この基礎を知っているか否かでこの後の暑熱対策の理論の理解度が大きく変わっていく重要な知識となりました。


人間の体の温度を下げるために用いられるアプローチには、①伝導、②対流、③放射、④発汗の4つしかありません。世の中にはたくさんの体の冷却方法(クーリング)がありますが、結局はこの4つのアプローチの組み合わせにすぎません。またどのアプローチが適切かどうかは深部体温を下げられているかどうかに関わってくるのです。


今回はひとつひとつ冷却方法について実際におこなわれた先行研究の結果を用いながら解説していきました。深部体温を下げるもっとも効率的な方法というのは確かに存在していますが、それがそれぞれのスポーツ現場や生活環境に必ずしも合ったものであるとは限りません。各々の特徴と理論を理解した上で実践ができると自分の環境に適したクーリング戦略が立案・実行できるということがわかりました。


話はさらに暑さに慣れる体づくり(暑熱順化)へと展開していきました。

暑熱順化も元を正せば深部体温が上がり過ぎないようにコントロールする体づくりということに繋がるのですが、そこでもっとも重要となるのは「汗」です。汗の質、そして汗をいかに活用できているかがポイントとなります。深部体温低下に「使える汗」と「使えない汗」があることは自分の中で発見でした。


従来の暑熱順化ではあまり無茶をしないように体が暑さに慣れるまで待ちましょうというのが一般的でした。しかし今回はクーリングを適切に用いることで暑熱順化にかかる期間を短縮してしまおう!という試みでした。この方法は実際に研究でも少しずつ実証され始めてきています。深部体温が上昇し過ぎたものへの対処としてのクーリングではなく、深部体温の上昇を事前に見越して計画的にクーリングを介入させていく、まさに「戦略的クーリング」だなという驚きがありました。


最後に先生の「熱中症は『頑張れる人にしか起きない』症状なんです」というお言葉が印象的でした。通常、深部体温が高くなると脳が運動を停止させようとしていろいろな機能を低下させていくはずが、それでも運動を継続しようとする強い意思によって無理やり体を動かし続けた結果、熱中症へと発展していきます。


アスリートとして頑張れるということは大切な才能です。

その才能を大切にしつつ安全にスポーツ活動をおこなうためには、やはり選手を取り巻く周りの人たちが作る環境が何より重要であることを再認識しました。選手と一緒になってただ闇雲に頑張らせるのは指導者やサポートする側の人間のやることではありません。好きなスポーツを思い切り楽しんで打ち込める環境づくりを作っていかなければと考えさせられる機会となりました。



これからも専門性に特化した面白い切り口でのセミナーを展開していきたいと思っています!ご参加いただいた皆様ありがとうございました!

次回も乞うご期待!!

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